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N0-1 大野原古墳群
古墳時代が終わりつつある、6世紀の終わり頃から7世紀半ばにかけて造られた大野原古墳群。直径 700mという狭い範囲の中に、椀貸塚、平塚、角塚の順で相次いで造られました。3つの古墳は、それぞれ内部に死者を安置する横穴式石室を持ち、その大きさは四国でも最大級を誇ります。石室内部の構造は古墳ごとに異な る特徴があります。たとえば、椀貸塚古墳は、奥の大きな空間・ 玄室と通路部分である羨道の間に、もうひとつ小さな部屋をもっています。このような構造を 複室構造といい、もともと九州の古墳によく見られる作り方です。一方、平塚古墳の石室は、ひとつの玄室と羨道で構成されています。このような単室構造はおもに畿内の古墳の石室に見られる作り方ですが、この畿内の石室との類似性は、角塚古墳でより顕著になります。このように、石室の構造の変化を見ることによってこの地域が九州から次第に畿内の影響を受けるようになったことが読み取れるなど、大野原古墳群は、当時の地域社会の状況を考える上でとても貴重な史跡です。